top of page

S-House

用途:個人住宅

規模:約371㎡ 地上2階

構造:RC造 一部S造

所在地:東京都

​撮影:小川重雄

 個人住宅の計画である。

 敷地を囲い込むように建築躯体を配置し、敷地内に内部から外部に渡ってさまざまな生活環境をつくりだすことを意図した。建築躯体で囲い込まれた中庭を回り込むように配置された諸室は、良好な採光や通風を得ながら上部に広がる空を隣地からの視線にさらされることなく享受する。

 プライバシーの確保された大きな中庭は、引戸の大開口サッシにより空間的に連続し、内部空間の延長として広がりのある空間を与える。逆もまたしかりである。

 一方で、敷地を周回する建築躯体は、周縁の隣地に対しても、環境的な働きかけをすることができないかを考えた。住人のプライバシーを含んださまざまな生活環境を確保すると同時に、隣地に対しても環境的にこの建築躯体の存在が意味を持つことができないか。これは、従来の住宅密集市街地における敷地境界線のあり方に問題を提起する「環世界」的建築のあり方への試みである。​

bottom of page